こどもでもわかるはなし

小林タクシーのブログ

右も左もわからない

あるところに日本くんが住んでいました。

日本くんが住む町(世界と呼ばれています)はとても治安が悪く、
みんながみんなに銃をぶっ放すようなそんなクレイジータウンです。
そして日本くんが住む町には警察がいません。
だから自分の身は自分で守るしかないのです。

ずっと「僕は平和主義だから」といって、けんかしてる集団との関わりをなるべく持たないようにしてた日本くんですが、最近アメリカくんに「銃もって俺のグループに参加しない?」と誘われました。
ひとりでいるよりみんなでいたほうが安全かも、と日本くんは右の脳みそでそうおもいました。
近頃となりに住む中国くんが、自分の家の庭にちょいちょい入ってきたりして不穏な気持ちになったりしてたのもあり、次第にそんな気持ちが高まっていたのです。

でも日本くんにはふたつの脳みそがありました。
右の脳みそと、もうひとつは左の脳みそです。

左の脳みそはいいました。
「だめよ。いままで誰もなぐらずに恨みを買わずにやってきたのに、そんな奴らと関わったら何やらされるかわかんないじゃない。戦争反対!あと原発も反対!」
日本くんは護身用のちっちゃいナイフ(自衛隊といいます)はもっていますが、
それ以上の「こっちから攻撃する用」の武器はもっていません。
問題は話しあいで解決するべき、と左脳は訴えます。

外ではおそろしい銃弾が飛び交うなか、日本くんは今日も家のなかでうんうん唸っています。
彼のあたまのなかでは激しく右と左が言い争っているのです。。。

さて、日本くんはどうするべきなのでしょう?

僕の考えですが、銃弾が飛び交う危ない街に住むとしたら
次の三つの行動のいずれかをとるのが普通なんじゃないかとおもいます。

A.引っ越す
B.銃で武装してどの喧嘩にも首をつっこまない
C.みんなが一斉に銃を捨てるよう呼びかける

A案が一番いい気がしますが(笑)、日本くんにとっては世界を離れて宇宙空間に飛び出すということになってしまうので難しいですね。
BとCは特別おかしなことは言ってないかとおもいます。
現実にアメリカの銃の所持を認めてる州では、銃乱射事件がおこるたび、BとCが争点になったりします。
みんなが一斉に銃を捨てるのは理想的ですが、「あいつ、じつは隠し持っているのでは?」という疑心暗鬼がはたらき、なかなか銃規制に進まないのだそうです。

でも日本ではそのBC二択にすらたどり着いていません。

日本の右寄りのひとは、銃で武装して喧嘩に首をつっこもうとしているし、
日本の左寄りのひとが、自国以外の国に対して銃を捨てるよう呼びかけている様子もありません。
いや、すべての右翼・すべての左翼がそうではないのですが、大多数として。
そしてそれははっきりいってどっちも中途半端ではないかなと思います。
なのに頭のなかでたがいの悪口ばっかり言い合っています。

今年の選挙の争点が憲法改正するか否かになりそうということもあり、どんどん話は内向きになっていってますが、日本くんは脳内だけでなく、窓の外にも目をむけてほしいなとおもいます。
じゃないといつか流れ弾に当たって死ぬんじゃないかと心配です。

でもこの話で一番へんなところは、この町に警察がいないってことだとおもってます。

それについてはまた後日。